結ばれぬまま、居所さえわからぬまま数年が過ぎた。
そんな彼女の所へ、訃報が舞い降りる。
それは、流行病で青年が亡くなったという報告だった。
夢見がちな彼女が、ずっと信じていれば夢は叶うと思いこんでいた。
その夢を信じる心だけが、青年の居なくなった空虚な心を満たしていたというのに、彼女の夢は見事に打ち砕かれたのだ。
彼女は、みるみるやつれていった。
それは、美しかったころの面影も消えるほどに。
どんどん美しさを失う彼女を、家族や使用人さえ嫌い、近づくものがどんどん減っていった。
そうして体力の無くなった彼女も、青年を殺した流行病が蝕んでいった。
直す手だてが無く、致死率もとても高かったその伝染病を、家族はおそれ、美しくなくなった彼女を置いて遠く離れた別荘に移った。
数人の使用人を残したが、その使用人たちもみな、病を恐れ、屋敷を逃げ出した。


