チェックインしようと受付に歩を進めると、奥のエレベータから、今回のイギリス騒動の張本人が出てきた。
その後ろには、嬉しそうに手をふる久我と、疲れ果てたように幼なじみに手をひかれてやってくる水無月がいた。
「遅かったなー。」
先ほど起きたばかりなのか、寝癖のついたままの髪を撫でながら、琴野はあくびをする。
「琴野先輩~・・・!!」
雪見は、春人を認識した瞬間、にらみつけた。
「スミマセン、雪見先輩。兄が・・・。」
知恵が、春人の背中をぺしりと叩く。
「よー春人ー。連れてきたぜー。」
「おお、祭ー。おつかれ。」
久阪に挨拶を返しながら、春人は知恵に叩かれたことでずれた眼鏡をなおす。