「まあ、とりあえず本題に入ろう。」

久阪が、制服のポケットからあるものを取り出す。

そのあるものとは、つまりパスポートだ。




「え、ちょっと待って下さいよ、何で私のも・・・っていうか人数分!?」




雪見が、再び頭をかかえる。


その後ろで、知恵はあたふたと兄がスミマセン、と謝り続け。


加山はイギリスだーっと大きく跳ね上がり。


久阪がニヤニヤと笑い続け。


暮山は、はぁ、とため息をついた。


 


彼等の夏休みは、まだまだ始まったばかり。