足を引きずる夏未の歩幅に合わせる愛羅



もちろん後ろを振り向いても京弥は追いかけてこない




「ほんと、なんてやつだよまったく!」


愛羅は苛立ちで地面を強く踏みつけるように歩く


「大丈夫なの?愛羅」


「いいんですよ!もう知らない!
勝手にしてって感じ」


「でも、愛羅も池谷に行きたいんでしょ?」


「………」



愛羅は今までの怒り口調から一気に黙ってしまった


池谷に用があるのは愛羅も同じだった



「でも、兄さんにはついていけないから」


「……なんとなく、私も苦手かなあの人」


「ですよね!昔から意地悪なんですよあのクソ兄貴!」


愛羅と夏未はさっききた川に戻ってきた



「もう連中は居なくなってる頃だし
ここで一休みしましょ」


愛羅は大きめの石に座り弓矢を置いた