「約束を思い出せないのか?」
そう言って、私をその胸に抱く。
「お、お……ぼえて……るよ?」
「じゃあ、何が不安なんだ?」
私はゆっくり記憶を辿る。
そうそう、あの子はあのフランス人形みたいな女が気に入らなかったの。
「だって……し、シオンが、他のお、女の人と……」
私がそう言うと、シオンは少し困ったように笑った。
「あれは、ただ知り合いの女だ。別に何の関係もない。」
それが嘘だと言うことは、瞬時に理解したけれど、私は騙された振りをしておいた。
「ほ、本当に?」
「あぁ。」
「本当に、嘘じゃな……い?」
「約束しただろ?」
「……うん…。」
何だか演技するのも面倒になってきた瞬間。
シオンが私の頬を優しく撫でる。
ゆっくりと視線を向けると、綺麗な蒼い瞳と目が合った。
キスをするつもりだろうと予想した私は、ゆっくりと目を閉じた。
その瞬間…………。

