そう言えば、シオンの部屋であの子が暴れてたっけ?
可哀想なあの子は、兄に好き放題されてすごく悲しんで暴れちゃったんだっけ?
私はそんな事を思い出して微かに笑みを浮かべると、そのままシオンの部屋に向かった。
扉の前で耳を澄ますと、中から物音が聞こえる。
私は扉をノックしようと思って腕を上げたけれど、ガーゼと包帯に包まれた腕を見てげんなりする。
あの子は本当に馬鹿。
もうじきピアノの発表会だっていうのに、なんでこんな馬鹿な真似をしたんだろう。
私は呆れながらも、シオンの部屋の扉を2回ノックした。
中の物音が静かになって、扉に向かって歩いてくる足音が聞こえる。
カチャリと音がして、扉がゆっくりと開いた。
姿を現したその人の胸にいきなり抱きつく。
「ご、ごめんなさい。」
私は出来る限り声を震わせてそう言った。
するとシオンはそんな私を優しく抱き締める。
そして優しく髪を撫でて、溜息を吐いた。
ちらりと部屋を覗き見ると、さっきよりはだいぶ綺麗になっているようで、私は少し安心した。
正直掃除するのは面倒だったし、だけどそのままシカトしておくほど私は馬鹿じゃない。
「・・・入っても・・いい?」
私がそう言うと、シオンはドアを開けて私を部屋に入れた。

