叶う。 Chapter1







理由に気付くと、後は簡単だった。

私はきっとシオンの事が好きだったんだ。

だから、きちんと自分だけを見てくれないシオンに腹を立てたりしていたんだと気がついた。

シオンと彼女を見てから、様子がおかしかったのはきっとシオンではなくて、私の方だったのかもしれない。

私はそう思ったら、また涙が溢れた。

シオンはひょっとしたら、私がシオンを好きな事が分かっていたのかもしれない。

だから、彼女と一緒に居る所を私が見てしまったから、過剰なくらい私に触れて来たのかもしれない。

私が傷付かないように。

それは考え過ぎかもしれないけれど、頭の回転が早いシオンなら、少し先を考える事だって、普通にするような気がした。

気紛れで、こんな関係を続けてきてしまったけれど、きっとシオンは私に触れたくて触れていたんじゃなくて、私の気持ちを察知して、したくないのにこんな関係を続けて来たのかもしれない。

頭の良いシオンだからこそ、自分が私から離れたら、私がおかしくなるのが分かっていたのかもしれない。

だって、実際に私はたかがこれだけの事で、こんなに壊れてしまったのだから。


それなのに私は、シオンが言ってた″約束″すら思い出す事すら出来ない。