嵐が過ぎ去ったような部屋の真ん中で、私はただ泣き続けた。
ごめんなさい。
そう言いたかったけれど、もう遅い。
私の涙は止まる事がなくて、視界がぼやけて滲んで見えた。
私はシオンに視線を向ける事すら出来ずに、ただ涙が止まってくれるのを待った。
だけれど、不意にシオンは部屋を出ていった。
足元と、ドアの開く音だけしか確認しなかったけれど、こんなに荒れ果てた部屋に居たくなかったのかもしれない。
きっとママに連絡をしに行ったのかもしれない、と私はそう思った。
突然暴れだした私は、もう何をされても仕方ない。
ママの顔を思い出すと、途端にまた涙が溢れた。
もう2度と、あの優しく笑ったママの顔を見る事は出来ないのかもしれないと思うと、胃に鉛を詰め込まれたかのように吐き気が込み上げる。
どうして自分を抑える事が出来なかったんだろう。
たかが、薬を飲めって言われたくらいで。
別にシオンに犯された訳じゃない。
もっと酷い目に散々合って、それでも生きて来たはずなのに。
そう考えて、私はふと気がついた。
制御出来なかったのは、きっと相手がシオンだったからなのだ。
他人だったら、多分やっぱり私は何も思わなかったのかもしれない。
シオンにされたから、嫌だったのだ。

