なぜ怒られなきゃいけないのか。
私は少しイライラしながらも、荷物をまとめる。
先に帰ってくれれば良いのに、シオンはどうやら私を一緒に連れて帰る気みたいだった。
「ごめん、私帰らないと。」
そう言って立ち上がろうとすると、和也に腕を掴まれた。
「つーか、あれ誰?」
「……お兄ちゃん。」
「え?かなうの?」
「うん、一番上のお兄ちゃんだよ。」
「じゃあ、挨拶くらいしないと。」
和也はそう言って立ち上がりかけたけれど、私はそれを止めた。
「ううん、大丈夫だから。ごめんね。」
「なんで?なんか挨拶しないとか感じ悪いし。」
「本当に大丈夫だよ。兄はそういうの気にしないから。」
「でも……。」
「本当に、ほんと大丈夫だから。皆もごめんね。」
何だか空気を悪くした気がして申し訳なく思ったけれど、私はそう言って誰かに話し掛ける隙を与えずに、逃げるようにファミレスを出た。
真っ直ぐにその人の元へ駆け寄ると、相変わらず冷たいその蒼い瞳で見下ろされた。
「……ごめん。」
私がそう言うと、その人は無言で私の腰の辺りに手を添えて掴むとゆっくりと歩き出す。
そんな光景を和也に見られてるだろう事が、何故だか無性に悲しくなった。

