叶う。 Chapter1






私達はぞろぞろと、駅に向かって歩いた。

「そう言えば、かなう何時に帰れば平気なの?」

歩きながら、凛にそう聞かれた。

今日はピアノがないから、五十嵐さんは居ない。
多分、兄達は遅く帰って来るだろうけれど、確実ではない。

だから、遅くても6時過ぎには帰った方が良い。

「6時くらいには帰らないとかな。」

私がそう言うと、愁が驚いたようにこう言った。

「え?かなうの家、門限あるの?」

「門限って訳じゃないんだけど、今日はそのくらいに帰らないと。」

「なんで?」

名前も知らない男の子が不思議そうにそう言った。

「今日は……都合が。」

私は何とか平静を装った。

「まさ、人の家の都合に首突っ込むな。」

凛がそう言ったので、私はその子がまさと言う名前だと初めて知った。

その子はどちらかと言えば、愁みたいな雰囲気だ。

背があまり高くなく、あどけなさが残る顔立ちをしている。
髪も愁ほどじゃないけれど、金髪に近い。

りょーたと呼ばれている人はどちらかと言うと、和也寄りで背が高いし、とても女性にモテそうな雰囲気だ。

あと一人、良く分からないオレンジの髪をした男の子がいるけれど、多分そのうち誰かが名前を呼ぶだろうと、私は勝手にそう思った。