叶う。 Chapter1






だけれど、私は凛にその事を聞くことは出来なかった。
教室の入り口で祐希が私達を待っていたし、何より今日は皆との約束がある。

折角、仲直りと言うか元に戻った凛達の関係を壊したくなかった。
凛の事は心配だけれど、今聞いてもきっと凛にはぐらかされるだけだろう。

それに聞いたところで、私には解決する事が出来る訳じゃない。


校門に着くと、さっきのメンバーがもう既に集まっていた。
遠目から見ても、なんともカラフルな目立つ集団だけれど、段々とそれを見慣れつつある自分がいる。


「晃も来るってさ。」


私達が近付くと、愁が携帯片手にそんなことを言った。

私は何だかとても嬉しい気分になった。
皆が凛とまたこうして、普通の仲になってくれることがただ単純に嬉しかった。


和也は私と凛が手を繋いでいるのを見つけると、何故か私の反対の手を取った。


「は?和也ウザい。凛とかなうの恋路を邪魔しないでくれる?」

「は?かなうは俺のだ。返せよ。」


私は両手を引っ張られて、どうしたら良いのか迷ったけれど、結局和也の手を離す事にした。
和也には悪いけれど、やっぱり凛のことが大事だったし、皆のいる前で手を繋ぐのは何だか恥ずかしかった。


「振られてやんのwざまぁw」


凛はそう言って、和也をバカにしたけれど、和也はそんなことを気にしてないように笑った。