眠ってしまうと、あっと言う間に時間が過ぎる。
なんだか肌寒い気がして目を覚ますと、もう4時間目の授業が終わる直前だった。
私は顔を上げると、いつもの癖で凛の席に視線を向けた。
すると珍しい事に、机に突っ伏した凛の姿が視界に映り、私はとても驚いた。
同時にとても嬉しく思う。
凛は大体いつもお昼にならないと学校に来ない。
だから、こんな時間に凛が居る事が純粋に嬉しかった。
それから直ぐに4時間目が終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
クラスメイト達が一斉にお昼ご飯の準備を始める。
ざわざわとし始めた教室に気が付いたのか、凛は起き上がって小さく伸びをした。
そして鞄を持って私の席に向かって来る凛の顔を見て、私は一瞬にして血の気が引いた。
「おはよー。」
欠伸混じりに近づいてきた凛は、相変わらず綺麗な顔をしている。
だけれど、何故か形のいい唇の端が切れたような傷が見える。
化粧をしているけれど、隠しきれてない紫色の痣が痛々しくて私は目を見開いた。
「凛?どうしたの?」
私の向かいの席に座った凛に思わず小声で聞いた。
「何が?」
「何がって、怪我してるじゃん!」
私がそう言うと、凛は頬に手を当ててちょっとおどけたような仕草をした。

