叶う。 Chapter1





「ただ、少しだけで良いから、携帯気にしてくれる?」

「うん。ごめん。」

「いや、無理に返事とかしなくても良いんだけど、やっぱり心配になるんだ。」

「うん……。」

「俺さ、普段は束縛とかされたくないし、したくないんだけど、何かかなうだけは駄目だわ。」

「……。」

「気になって、仕方ないんだ。ウザいかもしれないけど……。だから、せめて寝る前とか、出掛ける前だけでも良いから連絡して欲しい。」

「……うん。」

「あ、でも無理はしないで大丈夫だから、かなうが俺に連絡したいって思ってくれたらで構わないよ。」

「うん。」

「俺はするなって言われても、連絡しちゃうから、都合が悪かったら、出来る時にで良いから返事くれると安心するし、嬉しいかな。」

「分かった。」


私はそう言って、曖昧に笑顔を作った。
それくらいなら多分、私にも出来るだろう。

そんな私を見て、和也は何故か少し安心したように表情が柔らかくなった。


「俺正直、かなうに嫌われたかと思って、昨日から気が気じゃなかったんだ。」

「え?どうして?」

「だって、全然メールないし、電話でも暗かったからさ。今日絶対振られるかと思ってた。」

「そんなことないよ。私の方こそ……」

私がそう言い掛けた瞬間、始業のチャイムが鳴り響いた。