「ただ、少しだけで良いから、携帯気にしてくれる?」
「うん。ごめん。」
「いや、無理に返事とかしなくても良いんだけど、やっぱり心配になるんだ。」
「うん……。」
「俺さ、普段は束縛とかされたくないし、したくないんだけど、何かかなうだけは駄目だわ。」
「……。」
「気になって、仕方ないんだ。ウザいかもしれないけど……。だから、せめて寝る前とか、出掛ける前だけでも良いから連絡して欲しい。」
「……うん。」
「あ、でも無理はしないで大丈夫だから、かなうが俺に連絡したいって思ってくれたらで構わないよ。」
「うん。」
「俺はするなって言われても、連絡しちゃうから、都合が悪かったら、出来る時にで良いから返事くれると安心するし、嬉しいかな。」
「分かった。」
私はそう言って、曖昧に笑顔を作った。
それくらいなら多分、私にも出来るだろう。
そんな私を見て、和也は何故か少し安心したように表情が柔らかくなった。
「俺正直、かなうに嫌われたかと思って、昨日から気が気じゃなかったんだ。」
「え?どうして?」
「だって、全然メールないし、電話でも暗かったからさ。今日絶対振られるかと思ってた。」
「そんなことないよ。私の方こそ……」
私がそう言い掛けた瞬間、始業のチャイムが鳴り響いた。

