「かなうってさ、ひょっとして……」
「……?」
「俺の事嫌い?って言うか、無理矢理付き合ってって言ったのは俺だけど、本当は嫌だったのに断れなかった?」
「ち、違うの、そうじゃないの!」
「いや、本当の事言って大丈夫だよ。傷つくけど、俺が強引だったのは本当だし。全然かなうの気持ち無視しちゃったし。」
「本当に……ごめんなさ…い。でもそうじゃなくて!」
私は必死に、なんとか理解して貰えないか考えを巡らせた。
だけれど、シオンが原因で心が不安定だなんて伝える事も出来ないし、どう自分の気持ちを伝えて良いのかすら思い浮かばない。
私は本当に自分の愚かさに呆れてしまう。
自分を好きだと言ってくれる和也を、こんな風に不快な気分にさせておいて、言い訳すら上手く出来ない自分が情けなかった。
「取り敢えず、学校行く?」
多分、考え過ぎて無表情になっていた私に和也がそう言った。
「う…ん……。」
それは私には、有難い申し出だった。
少し冷静にならないと、私は支離滅裂な事しか話せないだろう。
だけれど、和也はいつもみたいに右手を差し出してくれた。
私は迷うことなく、その手を繋いだ。
それを確認すると、和也の表情が一瞬和らいだ気がした。

