私は目の前に立つと、シオンの瞳をじっと見つめた。
それでもどいてくれる気配は全くない。
何か言いたいのか、その瞳からは読み取れない。
「学校・・・行って来るね?」
私がそう言ってシオンを見つめると、何故かシオンは私の頬に触れた。
優しくなぞるように、その大きな掌に包まれた頬からシオンの体温が伝わってくる。
頬を撫でながら耳へと指先が触れる。
シオンが何をしたいのか分からなかった。
だけれど次の瞬間、シオンは前かがみになって私の唇に自分の唇を重ねた。
突然の行動に一瞬身体が硬直した。
手に持っていた鞄が、音を立てて床に落ちる。
思わず両手でシオンの身体を振り払おうとしてしまったけれど、小さな私の身体はいとも簡単にシオンの片手で押さえ込まれて抱き寄せられた。
顔を背けようにも、いつの間にかもう一方の手でがっちりと後頭部を押さえられているので身動き一つ取れない。
呼吸をする隙すらないそのキスに、次第に呼吸が苦しくなって気が遠くなりそうなほどだった。
シオンはそんな私の様子には全く気がついてない様子で、いつも以上に舌を絡ませる。
私は全身の力が抜けてしまいそうだったけれど、シオンがしっかりと支えてくれていたので何とか持ち堪えた。

