珍しく支度が早く済んだので、私はベッドに座って携帯をいじってた。
昨日は意識が朦朧として、和也にとても失礼な態度をとってしまった気がして、せめておはようの挨拶くらいメールを入れておこうと思った。
“おはよう。昨日は眠くてごめんね。”
私はそうメールを送信すると、携帯を鞄に入れた。
もうじき家を出る時間だし、駅に着いたらまたメールを入れればいい。
まだ少し早いけれど、そろそろ出ようかと迷っていると、静かに部屋の扉が開く。
私は咄嗟にそちらに視線を向けた。
なぜだかとっても、嫌な予感がした。
「・・・・おはよう。」
私は何でもない風に、その人に挨拶をする。
何故かとても胸が苦しくなった気がするけれど、それを悟られないようにベッドから立ち上がると、座って出来た皺を伸ばしてベッドを整える。
「もう具合は良いのか?」
その人はそう言って、ドアを背に寄りかかって腕を組んで私を見下ろしている。
「うん・・・おかげで治ったよ。ごめんね。」
なんだか通せんぼされてる気分だったけれど、私は鞄を手に取りその人の前に向かった。
学校に行く素振りを見せれば、通してくれるんじゃないかとちょっとだけ期待した。
だけれど、その人は冷めた瞳で私を見下ろすばかりでどいてくれる気配すらない。

