私は慌てて携帯を手に取ると、通話をスライドさせて耳に当てた。
「もしもし……。」
″あ、かなう?今大丈夫?″
それはやっぱり和也からの電話だった。
眠い目を擦りながら、何とか意識を呼び戻す。
「うん……どうしたの?」
″どうしたって?かなうこそ、なんかあったの?″
「……どうして?」
″だって、メール返事なかったから。″
「私は何もないよ?」
″そうなの?じゃあ、何で返事くれないの?″
「ごめん。」
″いや、なんかあったかと思って心配だったんだよ。でも声聞いたからもう安心。″
和也はそう言って、電話口で微かに笑った。
正直、眠たかったけれど、心配をかけていた事に少なからず反省した。
「ごめん……家だと携帯見ないから。」
私は眠い頭で必死に考えてそう言った。
なぜなら、家での私は常に携帯を気にすることは不可能に近いし、万が一シオンが部屋にやって来るとも分からない。
″そうなの?″
「うん、家の手伝いとかあるし。」
″そっか。じゃあ、ひょっとして今も迷惑?″
「ううん、もう寝る時間だから大丈夫だよ。」
嘘を吐くことはいけない事だと分かっているけれど、家の事はシオンの事も含め誰にも知られちゃいけない。

