「チャンスをくれてありがとう。」
和也はそう言って、私を優しく抱き締めた。
私はどうしていいのか分からなくて、やっぱりされるがままだった。
一応私達は彼氏と彼女という立場になったのだから、こんな風にされることを拒否する権利は私にはない。
むしろこのまま押し倒されても、私は文句一つ言えない。
だけれど、和也はしばらく私を抱き締めただけで、直ぐにその腕から私を解放した。
「やばい・・・俺幸せ。」
そう言った和也は本当に幸せそうだった。
その姿はなんだか居心地のいい場所を見つけた猫みたいに見えて、私も自然と笑ってしまった。
「やっぱり、かなうは可愛いな。」
笑った私を見て、そんなことを言う和也にほんの少しだけ恥ずかしくなる。
多分、顔が赤くなっているのが自分でも分かるけれど和也はにこにこしながらそんな私を見つめてた。
なんだか酷く恥ずかしい気分だったけれど、その優しい眼差しは何故か私に安心感と癒しを与えてくれた。
“かなうは色々難しく考えすぎ”そう言った凛ちゃんの言葉をふと思い出した。
確かに私は面倒なくらい色々考えすぎているのかもしれないと思った。

