そんな私が、和也と付き合ったって到底上手くいくとは思えないし、何より嫌われて愛想をつかされるのが手に取るように分かる。
だけれど和也はやっぱり一歩も引く気配がなかった。
「そんなこと、どうでもいいよ。」
和也はそう言って、未だに掴んだままの私の手を優しく撫でる。
「俺が好きなのは、そのままのかなうだから。だからかなうは何もしなくて良いんだよ。」
「・・・でも・・・。」
「かなうは俺が嫌い?」
「・・・嫌いじゃないよ。」
「じゃあ、俺を彼氏にしてくれない?」
「・・・・。」
「お試しでも良いから。かなうが嫌になったらいつでも言ってくれて構わない。」
「・・・・・。」
「女々しいけど、諦められないし、どうしてもかなうの傍に居たいんだ。」
そう言った和也の瞳を見上げると、やっぱりその瞳は私が知らない色だった。
だけれどその色はとても温かい色で、何故か見守られてるような不思議な感覚に包まれる。
少し猫みたいなその綺麗な瞳を見た瞬間、私はとうとう諦めた。
もう、きっと何を言っても和也は退かない。
真剣なその眼差しを見つめながら、私はゆっくり頷いた。
その瞬間、和也は猫みたいなその瞳を細めて笑った。

