叶う。 Chapter1






そんな私が、和也と付き合ったって到底上手くいくとは思えないし、何より嫌われて愛想をつかされるのが手に取るように分かる。

だけれど和也はやっぱり一歩も引く気配がなかった。


「そんなこと、どうでもいいよ。」


和也はそう言って、未だに掴んだままの私の手を優しく撫でる。


「俺が好きなのは、そのままのかなうだから。だからかなうは何もしなくて良いんだよ。」

「・・・でも・・・。」

「かなうは俺が嫌い?」

「・・・嫌いじゃないよ。」

「じゃあ、俺を彼氏にしてくれない?」

「・・・・。」

「お試しでも良いから。かなうが嫌になったらいつでも言ってくれて構わない。」

「・・・・・。」

「女々しいけど、諦められないし、どうしてもかなうの傍に居たいんだ。」


そう言った和也の瞳を見上げると、やっぱりその瞳は私が知らない色だった。
だけれどその色はとても温かい色で、何故か見守られてるような不思議な感覚に包まれる。

少し猫みたいなその綺麗な瞳を見た瞬間、私はとうとう諦めた。
もう、きっと何を言っても和也は退かない。

真剣なその眼差しを見つめながら、私はゆっくり頷いた。



その瞬間、和也は猫みたいなその瞳を細めて笑った。