何も言えない私に追い討ちを掛けるように、和也は少しだけ早口で言った。
「どうしてもかなうの傍に居たい。」
和也はそう言って、また私の両手を掴まえた。
瞳を合わせると、何だか思い詰めたような、今にも泣き出しそうな必死の表情になぜか胸が苦しくなる。
私は何だか、これ以上和也を説得するのは不可能な気がしてきた。
私にはその感情は良く分からないけれど、和也が真剣だと言うことは理解出来た。
だから私が今出来ることは、今すぐこの家を立ち去るか、和也の気持ちを受け入れるか、その2択しかない。
私がどれだけ拒否しても、和也は決して引くような人じゃない気がする。
なぜそんな風に思うのか、それは和也の瞳にシオンと同じ色を感じたからだ。
全く違う二人だけれど、多分二人共に退くことをしない人と言うか、決めたことには一歩も退かない性格なんじゃないかと感じた。
あくまでも、それは私の直感だった。
しかも私の直感は、困った時ほど良く当たる。
だからどれだけ私が何を言おうが、和也が諦めるとは思えなかった。
さて、どうしたものか・・・。
私は痛みだした頭をフル回転させて、最善の策を必死に考えたけれど、結局その答えを出すことは出来なかった。

