叶う。 Chapter1






「ごめんなさい。」


私は静かにそう言って、和也の腕からすり抜けた。
途端、和也の表情から笑顔が消えた。

だけれど、私にはどうする事も出来ない。


「私には、付き合うとか、良く分からないの。」


私はそう言って、俯いた。
他にどう伝えたら良いか何て分からなかったし、いつものようにされるがままにしておいても、解決出来る話じゃないと思った。

何とか理解して欲しいと思うけれど、私の疎い説明じゃ全く伝わらないのか、和也はめげずにこう言った。


「付き合うのが分からないって、どういう意味?」

「えっと・・・・付き合うっていうことが、どういう事なのか分からないの。」

「ただ、好きな人の傍に居たいと思う事だよ。」

「・・・・・・・?」

「好きだから傍に居たいと思う事が、分からないの?」

「それはなんとなく・・・・。」

「好きだから、傍に居たいし、触れたいと思うし、独占したいと思う。」

「・・・・・・・。」

「だから、彼女にしたいと思う。それは分かってる?」


正直、良く分からない。
だけれど、和也は真剣な表情で話続けた。

「かなうがどう思ってるか分からないけど、俺はかなうのこと、諦める気ないから。かなうが俺のこと嫌いって思うまで付き合ってくれない?」

「・・・・。」