叶う。 Chapter1







「勘違いじゃないよ。」

和也はそう言って、私の手を更に力強く握る。

「だって・・・どうして?」

私はどうしたら良いのか分からなかった。

「人を好きになるのに、理由が要るの?」

「・・・ごめん・・・分からないよ。」

そう、誰かを好きになったことすらない私には分からない。
何だかそんな自分に少し悲しくなった。


「俺も、かなうに会うまで分からなかったんだよ。」

「・・・?」

「どうして人を好きになるか。」

「・・・じゃ・・・あ・・」


どうして?と言葉にしたかったけれど、上手く言葉に出来なかった。
真剣に私を見つめる和也の瞳が、なんだかとても美しいガラス細工みたいに見えた。


「かなうに初めて会った時から、ずっと頭の中にかなうが居るんだ。何してるかな、とかそんなことばっかり考えてて。」

「・・・・。」

「連絡つかなくなったら不安で、寝れなくて、俺も何でか分からなかったけど、今日かなうに会ってはっきり分かったんだ。」

「・・・・。」

「多分、俺かなうに一目惚れしたんだって。」


和也はそう言って、優しく笑った。
なぜか、その瞳が嘘を吐いているようには見えなかった。