「勘違いじゃないよ。」
和也はそう言って、私の手を更に力強く握る。
「だって・・・どうして?」
私はどうしたら良いのか分からなかった。
「人を好きになるのに、理由が要るの?」
「・・・ごめん・・・分からないよ。」
そう、誰かを好きになったことすらない私には分からない。
何だかそんな自分に少し悲しくなった。
「俺も、かなうに会うまで分からなかったんだよ。」
「・・・?」
「どうして人を好きになるか。」
「・・・じゃ・・・あ・・」
どうして?と言葉にしたかったけれど、上手く言葉に出来なかった。
真剣に私を見つめる和也の瞳が、なんだかとても美しいガラス細工みたいに見えた。
「かなうに初めて会った時から、ずっと頭の中にかなうが居るんだ。何してるかな、とかそんなことばっかり考えてて。」
「・・・・。」
「連絡つかなくなったら不安で、寝れなくて、俺も何でか分からなかったけど、今日かなうに会ってはっきり分かったんだ。」
「・・・・。」
「多分、俺かなうに一目惚れしたんだって。」
和也はそう言って、優しく笑った。
なぜか、その瞳が嘘を吐いているようには見えなかった。

