叶う。 Chapter1







「俺さ・・・。」

「・・・うん。」

「結構いつもいい加減に過ごして来てさ。」

「うん。」

「凛にこの前も言われたけど、女にも結構だらしなくて。」

「うん。」

「だけどさ、こんなの本当に初めてで。」

「うん?」


和也が何を言いたいのかが分からない。
だから私はその瞳から視線を逸らさずに、じっと相槌を打って見つめ続けた。

和也はすーっと深呼吸すると、静かにこう言った。
そして、次に聴こえてきた言葉に私は自分の耳を疑った。


「俺、かなうが好きだわ。」

「・・・・・?」


とても耳の良い私が聞き間違えをするなんて、珍しいと思いながら私はもう一度聴き直した。


「ごめん、今なんて?」

「生まれて初めてだよ。一目惚れなんかしたの。」

「・・・・え?」

「俺、かなうが好き。」


和也は少し照れているように、それでも私の瞳を真っ直ぐ見据えたままそんな事を言った。

私はそれは何かの間違いだと思った。
また、私をからかっているだけだろうと本気で思ったし、何よりもこんな私を好きだと言う和也の言葉は信用出来なかった。

人は何を持ってして、人を好きになるのだろうか。
容姿?性格?それとも身体?

その全てにおいて、私は条件を満たされてるとは思えなかった。