叶う。 Chapter1






私の曖昧な笑い方は、和也の瞳にそんな風に映っていたんだと、この時初めて知った。

だけれど、深く物事を詮索されたくない私は話をそらす事にした。


「そうかな?そう言えば、話ってなに?」


私はそう言って、コンビニの袋からイチゴオレを取り出した。
もうすっかりこの場所にも慣れて来たので、さっき程の緊張はなくなった。

それは和也の成せる技なのか、それとも自分が案外図々しい性格なのかは分からなかったけれど、何だか和也と二人で居るこの空間は、人見知りの私でも不思議と落ち着ける。

だけれど私がそう聞いたのに、和也は無言で私をじっと見つめ続けた。
私は不思議に思って、その綺麗な漆黒の瞳をじっと見つめ返した。

無言で見つめあっていると、私はなぜか一昨日感じたように、突然胸がざわついた。
吸い込まれそうな程の、深い黒の中に少し怯えた自分の瞳が映っていた。

恐い訳じゃないけれど、なぜか心が落ち着かない。

それは今まで、感じたことのない不思議な感情だった。
まるで自分の心が、自分の物じゃなくなってしまったかのようなその感覚は、なぜか私の心を掻き乱す。

不安なような、切ないような、自分でコントロール出来ない自分の心がおかしいと思ったその瞬間・・・・・・。


和也はゆっくりと口を開いた。