叶う。 Chapter1





「かなうってさ。」

「うん?」

「本当に凛が言ってた通りなんだな。」

「何が?」

「清純乙女ww」


和也はそう言って、クスクス笑った。


「・・・そんなことないよ。」


私はそう言って、何だか悲しい気分になった。

私が清純な訳がない。
清純とは、穢れを知らない人を指す言葉であって、汚れた過去を持つ私には相応しくない言葉だと思った。

そう思った途端、何だか憂鬱な気分になった。

だけれど、和也はそんな私の気分に気付いて居ない様子で、相変わらず優しい笑顔で私をじっと見据えてた。


「なんか、かなう見てるとさ・・・・なんつーか、守ってやりたくなる。」


和也は何でもない風にそんな事を言った。
私はその言葉が理解出来なかったから、曖昧に笑っておいた。

それは昔からの癖みたいなもので、私は分からない時や困った時、いつも曖昧に笑う。
笑っていれば、相手を不快にさせる事はないし、小さい頃からの習慣みたいなものだった。

それは自分自身を守るため子供の頃に身につけた術。


「かなうってさ。」

「うん?」

「何で、困ったように笑うの?」

「え?」

「なんかさ、いつも困ったみたいに笑うよね?」


和也はそう言って、突然真剣な眼差しで私の目をじっと見つめてきた。