叶う。 Chapter1





少しだけ近い距離にちょっとだけ緊張したけれど、和也がリラックスしている様子に見えたので、私も少しずつ緊張が溶けてきた。


「そう言えば、昨日ごめんね。」


私は先に謝っておく事にした。
嫌な事は先に済ませておいた方が良いに決まってる。


「ん?何が?」

「あの…家に来てくれたんでしょ?」


シオンの事は口にしたくなかったけれど、もし和也が嫌な思いをしてたら、素直に謝っておくべきだと思った。


「あー、何かお兄さんかな?機嫌悪かったみたいだけど、かなう大丈夫だった?」


和也はさして気にしてなさそうにそう言った。
やっぱりシオンはやらかしてくれてたらしい。


「あの、ね。兄はいつもちょっと無愛想なの。」

「そうなの?」

「うん、2番目の兄はそうでも無いんだけど。」

「兄ちゃん二人居るの?」

「うん。だから、ごめんね。嫌な気分にさせちゃったでしょ?」

「いや、全然気にしてないよ。むしろ俺がかなうの兄貴だったら、男が訪ねて来たらもっと嫌な態度とるよw」

「…なんで?」

「こんな可愛い妹だったら、過保護にもなるよ。」


和也はそう言って、私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
私は和也の言った意味を理解すると、突然恥ずかしくなって俯いた。

和也はそんな私を見て、小さく笑う。