男の人の部屋は、たまに兄の部屋に行ったりするので何となく想像していたつもりだった。
兄達の部屋は、モノトーンでいつもシンプルに片付けられていて、無駄な物が一切置いていない。
だから、きっと男の人の部屋はそんなものなんだろうという私の幻想は、和也の部屋を見た瞬間に見事に砕け散った。
唖然と物珍しげに、部屋に置かれた数々の物を観察していると、パタンと音がしたので、私はつられて視線を向けた。
「変なもんいっぱいあるでしょ?」
扉を閉めた和也が、いたずらっ子みたいに笑ってそう言った。
「すごいね、自分で集めたの?」
私は驚きのあまり、緊張していたことすらすっかり忘れてしまった。
「いや、うちの親父、輸入雑貨の店やってんの。だから買い付け行ったりすると、そういうの買って来るんだよ。」
「へぇ、そうなんだ。すごいね!」
私はそう言って、本棚に飾られている某映画のキャラクターのフィギュアに視線を移した。
それはとても良く出来ていて、爬虫類みたいなその人形を穴が開くほどじっくりと眺めた。
「かなう、そういうの好きなの?」
和也にそう声を掛けられて、私はやっとその置物から視線をそらした。

