叶う。 Chapter1




コンビニを出た私達は、そのまま真っ直ぐに歩いた。

閑静な住宅街の中を手を引かれて暫く歩くと、落ち着いたグレーの煉瓦調の家の前で、和也が立ち止まった。

その家は結構大きくて、洋風でおしゃれな雰囲気だった。
だけれど、表札には“一条”とシンプルな漢字で書かれていた。


「ここ、俺の家。」


和也はそう言って、玄関に続く門を慣れた手つきで開くと私の手を引いたまま玄関まで続く階段を上がった。

そして玄関につくと、私の手を放してポケットから鍵を取り出した。
そして、ふと後ろを振り返ると、斜め向かいの日本家屋風な家を指差した。


「あそこ、凛の家。」


和也が玄関を空けている間、私はその家をじっくりと見た。

この辺りの家は、わりと新しい感じの家が多い気がしたけれど、凛の家はそれとは真逆で純日本の家という雰囲気だった。

昔ながらの木で出来た門に、それを囲うように松や桜の木らしき木が所狭しと植えられている。

少し高い位置から見ているので、その家の庭がとても広くて手入れが行き届いているのが分かる。
瓦造りの屋根も広くてとても立派だ。

だけれど、それは凛のイメージとは少し違っていて、私は何だか不思議な感覚がした。

私の勝手な凛のイメージは、私と同じようにマンションとかに住んでそうな、そんなイメージだった。