叶う。 Chapter1






「座ったら?」

傍に行くとその人は地面に胡坐をかいて座ったままそう言った。

何となく隣に座りたかったけれど、短いスカートを履いている事を思い出し躊躇した。


「あー・・・ごめん。」


私が躊躇したのに気付いたのか、和也という人はいきなり自分の着ているパーカーを脱ぐと自分の隣にそれを広げて置いた。

それをポンポンと叩いて私を見上げる。


「どーぞ。」

「え?」

「ここなら座れるでしょ?」

「ダメだよ・・・汚しちゃう。」

「気にしなくていいよ。」

「・・・でも。」


人様の上着の上に座るなんて、そんなこと出来ない。

「いいから座って。」

動こうとしない私に、その人は不意に私の手を掴んだ。

「おいで。」

そう言って手を引っ張られる。
その勢いに歩きつかれていた私の足は、バランスを崩してつんのめった。


一瞬にして転ぶ、と思ってぎゅっと目を閉じた。


「あっぶね!」


その声に私は更にきつく目を閉じた。

痛いと感じるはずなのに、一向に痛みは感じられなかった。
何かがおかしいと気付いたその瞬間。