「座ったら?」
傍に行くとその人は地面に胡坐をかいて座ったままそう言った。
何となく隣に座りたかったけれど、短いスカートを履いている事を思い出し躊躇した。
「あー・・・ごめん。」
私が躊躇したのに気付いたのか、和也という人はいきなり自分の着ているパーカーを脱ぐと自分の隣にそれを広げて置いた。
それをポンポンと叩いて私を見上げる。
「どーぞ。」
「え?」
「ここなら座れるでしょ?」
「ダメだよ・・・汚しちゃう。」
「気にしなくていいよ。」
「・・・でも。」
人様の上着の上に座るなんて、そんなこと出来ない。
「いいから座って。」
動こうとしない私に、その人は不意に私の手を掴んだ。
「おいで。」
そう言って手を引っ張られる。
その勢いに歩きつかれていた私の足は、バランスを崩してつんのめった。
一瞬にして転ぶ、と思ってぎゅっと目を閉じた。
「あっぶね!」
その声に私は更にきつく目を閉じた。
痛いと感じるはずなのに、一向に痛みは感じられなかった。
何かがおかしいと気付いたその瞬間。

