「ねぇ、かなう?」
「うん?」
「凛はかなうが好きだから、はっきり言うけど・・・」
「・・・うん。」
「かなうはちょっと、色々難しく考えすぎ!何でそんなに気を使うの?」
凛ちゃんの言葉に、どう伝えようか一瞬考える。
だけれど、私はその時気付いた。
私が細かいことを考えるのは、失うことが怖いからだ。
自分をさらけ出すことで、相手に捨てられる事が何よりも怖い。
それは多分、普通の人には分からない感覚なのかもしれない。
幼い日、母に捨てられた、というよりも置いて逝かれた私の感覚なんてきっと普通の人には理解出来ないだろう。
私はそこまで考えて、小さく言った。
「ごめんね、凛ちゃん・・・。」
「だから、凛でいいって!それに謝るのはナシ!かなうは悪い事なんてひとつもしてないじゃん!」
凛ちゃんはそう言って、私の両手を掴んで私の向かいに立った。
私がゆっくり視線を上げると、凛ちゃんは出会った頃から変わらないその綺麗な顔で優しく笑った。

