叶う。 Chapter1




「そうなんだ。」

凛ちゃんは笑うのを辞めて、いつもみたいな声音でそう言った。
私は恥ずかしいやら怖いやらで、顔をあげることすら出来なかった。

「じゃあさ、かなうは友達と遊ぶの初めてってこと?」

「・・・うん。」

「じゃあ、かなうにとって、初めての友達は凛ってこと?」

「うん、そうだよ。」

そう、凛ちゃんが初めての友達。
気分はどんよりで胸は苦しくなったけれど、きちんと伝えられた。

そして私はゆっくり顔を上げた。

私をじっと見つめる凛ちゃんは、目が合うと優しく笑った。
そして、顔の横でピースサインを作ってこう言った。

「じゃあ、凛はかなうの初体験ゲットだねw」

そう言って笑った凛ちゃんの顔は、いつにも増して綺麗だった。


「初体験って。」

私も凛ちゃんにつられて笑ってしまう。
何だか意味深な響きだったけれど、凛ちゃんは気にしてないようだった。

「じゃあ、今日は凛がかなうをエスコートする!」

「なんかデートみたいだね。」

「あはは、そうだね。」

「今日は色々と、お願いします。」

「凛に任せたまえ!」

そう言った凛ちゃんはにっこりと笑って、私の手を繋いだまま歩き出した。
繋いだ手は温かくて、私はなんだかとても嬉しい気分だった。

凛ちゃんと友達になれて、私はとても幸せ。