凛ちゃんに手を引かれながら向かったのは、人で混み合うファーストフード店だった。
よく見かけるファーストフード店。
私もレオンに連れられて何度か来たことがあるけれど、自分で注文するのはもちろん初めての経験だった。
「ここでいい?」
「・・・うん。」
「ん?かなうハンバーガー嫌い?」
「ううん、そうじゃないの、自分でこういう所で買い物したことなくて・・・。」
「え?」
私がそう言うと、凛ちゃんは綺麗な奥二重の目を大きくして驚いた顔をした。
どうしよう、何だか何も知らない自分がすごく恥ずかしい。
だけれど、今まではこういう場所に正直、縁がなかったのだから仕方ない。
面倒くさいヤツだと思われるかもしれないけれど、正直に話さないといけない。
だけれど、凛ちゃんは真顔でこう言った。
「あのさ・・・。」
「うん?。」
「かなうってお嬢様なの?」
「え?」
「だって、こういう所来ないってお嬢様くらいしか考えられないんだけど!」
「違うよ、そういうんじゃなく・・・て。あまり、ほんとに。」
「ほんとに?」
「普段家から出ないの。」
「マジで?」
「・・・うん。だから、何も知らなくてごめんね。」
私は申し訳なくなって、凛ちゃんから視線を逸らした。
そうだよね、家から出ないなんて遊びたい盛りの中学生からしたらおかしなことだ。

