叶う。 Chapter1




その後も気分は晴れないまま、私は少し遅めの夕飯を食べ、お風呂に入った。

家の中は相変わらず静まり返っていて、私はいつもの様に防音室に引きこもった。

平日はなんだかんだレオンやシオンが居る事が多いから、会話したり勉強を教えて貰ったり、一緒に話したりするけれど、週末はいつも静か。

静寂は時折、聞かなくても良い音を聞かせてくるし、聞きたくない記憶の中の声を私に聞かせる。

だから好きじゃない。


昨日ほどピアノに熱中し過ぎて、これ以上余計な負担を負いたくなかったので、今日はひたすら強弱を意識してピアノを弾いた。

来月の発表会、それは毎年クリスマス近くに行われる。

近隣のピアノを習っている人達が大勢集まって行われるその発表会は、小学生、中学生、高校生の部があって、きちんとプロの審査員の先生までいる、大きなイベントだ。

私は小学校からその発表会に出続けているけれど、年々評価が上がっている。

だけれど、毎回あと少しで優勝をもらえる事は出来ないで居た。