「・・・ごめ・・・ん。」
私は咄嗟に謝った。
それ以外の言葉が出てこなかったし、何よりも拒絶したわけじゃない事をどう言ったら良いのか分からなかった。
だけれどシオンは何も言わずに、呆然と立ち尽くす私の横を通り抜けてそのままエレーベーターに向かって行ってしまった。
なんだかシオンのその行動に、とてつもなく不安になる。
昨日から、何だかシオンの様子がおかしい気がするのは気のせいだろうか?
いつもの行動と、違う行動をされると私は途端に不安定になる。
それは小さい頃からずっとそうだった。
母が生きていた時、急に怒られたり、蹴り飛ばされたり、優しくされたり、そんな気の休まる隙もない日々は、今も私の記憶に鮮明に残っている。
レオンの突拍子もない行動は、もうすっかり慣れたし、コミニュケーションの一環だときちんと対処出来るのに。
普段のシオンと違う行動をされると、どう対処して良いのか分からなかったし、物凄く不安な気持ちになった。
シオンは怒ってしまっただろうか?
振り返ってエレベーターの方を向いたけれど、そこにはもうシオンの姿はなかった。

