叶う。 Chapter1




帰りの車の中、私はなんだかとても嬉しい気分だった。


それは普通に生きていたら当たり前のことなのかもしれないけれど、当たり前のことが出来ない私には、初めて自分で服を選んだ事や、ママに自分からお願い出来たことが、とても嬉しかった。

こういう風に、少しずつ成長していけるのは、きっとママが私を大事に育ててくれているからだと思う。
病院の先生が言った通り、きっとママは私の事を大事に思ってくれていると心からそう感じた。

時には厳しいけれど、それでもこうして少しずつ成長出来るのは、ママがそう育ててくれたからなんだと思う。

車を運転しているママの横顔をじっと見つめながら、こんな私を引き取って育ててくれているママに心から感謝した。

「ママ・・・」

「うん?」

「いつも・・・ありがとう。」

見守ってくれて、と言いたかったけれど、やっぱり上手く言葉に出来なかった。

「アンナ?」

「?」

「ママこそ、いつもありがとう。」

「え?」

「アンナが私の娘になってくれて、本当に嬉しいの。」


サングラスをかけたママの表情は分からなかったけれど、その声音はとても優しかった。
だから私は、勇気を出してこう言ったんだ。

「ママ、いつも見守ってくれてありが・・・と・・。」

その言葉は何だか恥ずかしかったけれど、私は更に幸せな気分になった。