叶う。 Chapter1




その後は先生とママと私で、雑談をした。

私は友達が出来たことを先生に話して、どういう風にしたら相手に自分の思っている事を伝えられるか質問をした。

心の病気のスペシャリストである先生は、ある意味色々な人の感情や心理状態を分かりやすく教えてくれると思ったからだった。

だけれど、先生はしばらく考えた後、こう言った。


「その子は、いつものアンナと接していて、アンナがどういう子か分かって傍に居てくれるんだよね?それなら、アンナは普通にしていれば良いんだよ。」

「でも、私本当はすごく嬉しいのに、それを上手く伝えられてないんじゃないかって不安で。」

「いや、きっと伝わっていると思うよ。それでいて、その子はアンナと一緒に居ることを選んでいるんだから。それにね、僕だって人の心の中までは分からないよ。一緒に居て相手が僕をどう思っているのかなんて分からない。」

先生はそう言って、またママを一瞬盗み見てから、こう言った。


「アンナ、感情というのは人それぞれで出し方なんて違うんだよ。アンナの感情は確かに普通に見たら分かりにくいのかもしれないし、それを否定もしない。だけどね、僕達は人間だ。人間にはきちんと言葉がある。」

「・・・・。」

「もし、アンナが感情を上手く伝えられていないと思うなら、それを言葉にして相手に伝えてみるといい。」