叶う。 Chapter1



「最近の調子はどう?」


カルテから目を上げた先生に声をかけられて、現実に戻る。


「調子は良いです。」

「夜はちゃんと眠れてる?」

「・・・・うーん。日によってです。」

「食事はきちんと採ってる?」

「はい。」

「薬はちゃんと飲んでる?」

「・・・ごめんなさい、偶に忘れます。」


私がそう言うと、先生は苦笑いをしながらカルテにスラスラと文字を書いていく。
その字は私には判別出来ない文字で、それを読める先生は改めて凄いと思う。


「しばらく来てなかったけど、元気そうで安心したよ。」


先生はソファにゆったりと座りなおすと、優しい視線で私を見た。
私は何て答えたら良いか分からなかったので、また曖昧に笑っておいた。


「でも、薬はちゃんと飲まないとだめだよアンナ。」

「・・・はい。」

「睡眠がとれないと、せっかくの美人さんが隈だらけになっちゃうからね。」


先生は冗談ぽくそう言って、またカルテに短く何かを書いた。