15階はこのマンションの最上階で、他の階とは違い1フロアに1家族しか住んで居ない。
そう、私の家族以外住んでいないのだ。
なのでエレベーターに乗ってしまえば、他の誰かと顔を合わせることはほとんどない。
エレベーターが最上階に着くと、私は玄関まで続くレンガ敷の道をゆっくりと歩く。
私の住んでいるこの家は、マンションというより一戸建てのような外観だった。
もちろん、外から見たらマンションなんだけれど、最上階のこの家はエレベーターから続くレンガが敷き詰められた道に、色とりどりの季節の花が植えられた小さな庭まである。
所々に照明が配置されているので、夜でも明るい。
初めて見た時はびっくりしたけれど、微かに花の香りがするこの庭は、今では私のお気に入り。
お天気の良い日は、日光浴を兼ねて庭で本を読むことが最近の日課だった。

