叶う。 Chapter1





ママの運転する車はすぐに、私がいつも通っている病院に辿り着いた。
その病院は閑静な住宅街の中にある。

ママが駐車場に車を停める前に、私は先に車を降りて病院の入り口を開けた。


この病院は個人病院で、私はもう7年くらいこの先生に通っている。
住宅街にまぎれてあるこの病院は、一見普通の広い住宅のように見える。

入り口を開けるとカランと小さくベルがなり、目に映る待合室は普通のソファが置かれているだけで、本当にただの住宅のようだ。


「こんにちは。」

受付に居るのは、いつもと同じ看護婦さん。

「あら、アンナちゃんこんにちは。今日はちゃんと来たのね。」

看護婦さんはそう言って笑うと、私から診察券と保険証を受け取った。

私は微妙に反応に困ったけれど、曖昧に笑っておいた。

「先生がお待ちかねよ。」

看護婦さんはそう言うと、受付から出てきて診察室の扉を開けた。

それと同時にママが病院の入り口を開けて入って来た。

「月島さん、こんにちは。」

「こんにちは、お世話になります。」

ママは看護婦さんに挨拶を済ませて、私と一緒に診察室に入った。

この病院は完全予約制なので、今は私達以外の患者さんは居ない。