私は携帯の時計に視線を移す。
ちょうど真夜中の2時を少し過ぎたくらいだった。
この時間に帰宅するのは、ママに違いない。
ママは基本夜中の1時から2時に帰宅することがほとんどだった。
私は携帯をベッドに放ると、急いで玄関に向かった。
「おかえりなさい。」
「あら、アンナ。ただいま。まだ起きてたの?」
玄関につくと、ママはちょうど靴を脱いで、コートを脱いでいる所だった。
ママは片手にコートとバッグを持ったまま玄関に上がると、片手で私を抱き寄せて頬にキスをする。
それはいつもの挨拶で、私もママの頬に軽く唇をつける。
くっきりとした瞳に、黒のアイラインとマスカラ、ベージュ色のアイシャドウを薄くを引いているだけのシンプルなメイクなのに、その姿はまるで雑誌から抜け出してきたかのようだ。
ママは背中くらいまである、絹糸みたいに綺麗なシルバーブロンドの髪をいつも緩く巻いている。
はっきりとした顔立ちに、その緩い巻き方はママの雰囲気をすごく柔らかく見せていて、とても似合うと思う。
やっぱり今日も、ママはとても綺麗だった。

