叶う。 Chapter1




そのメールはシオンからだった。
受信時刻は僅か5分前。


“大丈夫か?”


たった一言のそのメールの意味を私はしばし考え込んだ。
大丈夫か、と聞かれれば、何が?と聞き返すことしか考え付かない。

だけれど、なんとなくだけど迷惑を掛けた罪悪感からか、返さなきゃいけないような気分になった。


5分前に受信をしているということは、今はシオンは取込中じゃないのだろうか?
私は慣れない手つきで携帯を操作しながら、メールを作成する。


“大丈夫”


そう入力して、手を止める。
そして少し考えてから、また文字を入力していく。



“大丈夫だよ。
今日は邪魔してごめんなさい。”


何度も何度も読み返して、おかしな箇所がないか確認する。

うん、これならきっと大丈夫。
当たり障りのないこのシンプルな文章なら、きっと普通に理解して貰えるだろう。

私はそう思って、メールを送信した。