私のヒーロー

「お前にはウジウジと
縮こまってる姿は似合わねぇんだよ!」



そう言って私のオデコを
軽く人差し指で突いてきた。



「痛っ!?」



オデコの痛さと
いきなりの行動に驚いていると。



「お前は馬鹿みたいに笑って
無駄な正義感を貫き通せ!」



そう言って
優しい笑顔で笑った。



「もしもお前が……。
笑えないくらい辛くて
正義感を忘れた時は……」



ゆっくりと私に
伸ばされてくる姫条くんの手。

そして優しく私の頬に触れた。



「俺がお前を笑顔にしてやる。
お前が忘れた大切なものを
俺が思い出せてやる」

「姫条くん……」

「だから……。
怖がってんじゃねぇよ」




そう言って再び抱きしめられる。


今度は抵抗する事なく優しく
姫条くんの背中に手を回した。


姫条くんは私を受け入れる様に

強く、強く……。

抱きしめてくれた。