私のヒーロー

「……馬鹿にもほどがある。
思い込みで自分を傷つけんじゃねぇよ」



思い込み……?
姫条くんが
何を言っているか分からないよ。



「ったく……世話が掛かる……。
アイツが本心でお前に
『俺に構うな』なんて言う訳ねぇだろーが」



私を慰めているのか
いつもより優しく感じる。


だけど……。
やっぱり言いたい事は分からない。



「姫条くん。
別に慰めは……」

「あー!!
本当に馬鹿だろ!!
何で俺がお前を
慰めなきゃいけないんだよ!!」



なんで怒るの……!?

なーんか……。
姫条くんといると
訳が分からない事ばっかり。


って言うか!!



「さっきから馬鹿、馬鹿って……。
いくらなんでも言い過ぎ!!」



って……。
何で姫条くん笑ってるのよ!!
私は怒って……。




「やっとお前らしくなったな」



そう言ってニヤリと怪しく笑う。

でも……。
そこには優しさがある。