私のヒーロー

「俺には……出来ねぇよ」

「出来るよ」




優輝なら出来る。




「私や稜也だって出来たんだもん」

「……」




人を信じれなくなった稜也は

その元凶でもある蒼太と仲良くなった。



両親から逃げ出した私は

ちゃんと向き合う事が出来た。





「今度は優輝の番だよ」

「俺の番……か……」




優輝はそう呟くと
私の肩にゆっくりと腕を回してきた。




「……俺の隣で……。
ちゃんと見守っててくれるか?」




声は少し震えてたけど
でも心はちゃんと伝わった。




「もちろん!
私はずっと隣にいるよ!」

「なら……。
頑張ってみるか……。


お前がいれば
何とかなりそうだ」




少しずつ
優輝も前に進もうとしている。