私のヒーロー

両親と別れた私たちは
闇炎の倉庫に帰る途中だ。




「……」

「……」




優輝は何も喋ろうとしなかった。


私も何を喋っていいか分からず
ただ黙って優輝の横を歩く。



まだ怪我をしている私を気遣ってか
歩くスピードはいつもよりゆっくりだ。



私を支えてくれる優輝の腕から
優しい温もりを感じる。


でも……。
どこか寂しそうにも感じる……。



こんな時……。
なんて声を掛ければいいんだろう?



考えているうちに
倉庫についてしまった。





「亜樹!!
お帰りなさーい!!」




倉庫の扉を開けた瞬間


パ~ンっと激しい音がしたと思ったら
紙が私たちに向かって飛んできた。




「び……びっくりした!!」



何これ!?
クラッカー!?



大騒ぎをする皆をよそに
私は1人で驚いていた。