「っ!?
なに可愛い事を……」



あれ……。

おかしいな……。



優輝の声が
遠くの方で聞こえる気がする。



こんな近くいいるのに……。




「は……はぁ……はぁ……」




しかも
息切れまでしてきたし……。



どうしたんだろう私……?




「亜樹?」




優輝やみんなが顔を覗き込んだ瞬間

私の体から力が抜ける。


ぐったりと
もたれかかるように優輝に体を預ける。



「おいっ!?」

「わ!?
亜樹の背中!!

血が凄い事になってるよ!!」


「傷口が開いたんじゃないか!?」

「救急車呼べ!!」

「もう呼んだ」




騒がしい声が
私の頭の片隅で聞こえてくる。


“私は大丈夫だよ”。
そう言いたいのに……。


意識がどんどん……。
薄れていくの……。