私のヒーロー

「……あっ……」

「どうした……」




何か……重大な事を
忘れているような……。




「ラブラブなところ悪いな」

「え……?」



急に私と優輝
以外の声が聞こえてきた。



恐る恐る目を向ければ
そこには……。




「稜也……亮祐」

「雅人に翔太までいるじゃねぇーか。

どうしたんだよ?」



優輝!!
ちょっと黙ってて!!



分からないの!?
皆から見えるあの恐ろしいオーラが!!


まぁ怒りの標的は
優輝じゃなくて……。


私なんだけども!!




「『どうした?』
って聞いてないのか?」

「亜樹はな……。
病室を勝手に抜け出したんだよ」




亮祐と稜也の視線が痛いです。

凄く睨まれております。




「は!?
抜け出してきた!?」



あれ……。
おかしいな……。


さっきまで優しい顔をしていた優輝の顔がみるみる怖くなっていく。