私のヒーロー

「それとこれとは話が……」

「黙れ。
俺に逆らうな」



……な……。
何なのコイツ!!




「はっ。
くだらねぇ……」



さっきまで静かだった浅木くんが
いきなり私たちに背をむけた。

そしてそのまま
歩き出してしまった。


しかもさっき私たちが
通って来た道を引き返していく。


やっぱり家は
反対方向だったんじゃない!!



「待って浅木く……」

「浅木!」



私の叫びをを掻き消すように
姫条くんが浅木くんを呼んだ。




「……」



あっ、止まった。
でもこっち向かないんだ。