私のヒーロー

「……やっぱ変な奴」




姫条くんはそう言って笑った。

あ……。
そっか……。

学校での姫条くんの笑顔に
違和感を感じた理由が分かった。


あれは姫条くんの
本当の笑顔なんかじゃなかったんだ。


だって今の姫条くんの笑顔の方が
キラキラしていて凄く格好良い。




「なんだよ？
俺の顔に何かついてんのか？」

「べ……別に」



やばっ。
知らない間に見惚れていた。



「……まぁいい。
それで俺はお前の事を調べて
どんな人間かが分かった」



な……なんか怖いんだけど。
でも気になるかも。



「どんな人間なの？」

「馬鹿、お人好し、変な奴」

「……」



なに？
姫条くんは
私を怒らせに来たのかな？


そんな悪口のオンパレードを
わざわざ報告しに来たのかなー？


少しムカついてきたよ。
殴りたいけどそんな事したら
ヒーローになれない。


……我慢だ我慢。