私のヒーロー

『……あれ?』



ガチャガチャと回しても
扉は2つとも開く事はなかった。



ど……どうなってるの!?



1人でパニクッていれば
機械の声が私を馬鹿にしたように流れる。




『どちらか1枚と言ったであろう。
日本語も理解できないのか?

両方開けようとするとは……。
馬鹿以外の何ものでもない』




何でここでも馬鹿にされるの!?


あー……。
深読みした私が馬鹿だった!!




『仕方あるまい。
最後のチャンスだ。


1枚だけだぞ……1枚だけ』




そんなに
言わなくたって分かってるよ!!



どっちかを選べばいいんでしょ!?



はー……。
緊張して損した……。



でも……。
これが本当に……。



最後のチャンスなんだ。



違う扉を選んだら私は……。


2度と皆に会えない……。